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入れ歯などと比較して体との親和性が高いインプラント。しかし、あごの骨が足りないなどの理由で適応できないと言われてしまうケースもあります。そんな人に検討してほしいのはザイゴマインプラントです。ここでは、ザイゴマインプラントの特徴やメリット、デメリットを紹介します。
インプラントは、あごの骨にインプラント体を埋める治療です。あごにインプラント体を埋められる量の骨がないと手術できません。こうした場合、インプラント治療ができるまで骨を作る骨移植をするか、インプラントを諦めて入れ歯にするかなどの選択肢があります。
インプラントの技術が進化したことで、新しい選択肢が選べるようになりました。それが「ザイゴマインプラント」です。あごの骨が足りなくても、骨の移植をせずに治療ができます。
「ザイゴマ」とは、頬骨のことです。あごではなく頬の骨を利用したインプラント治療になります。
ザイゴマインプラントでは、骨の移植をしなくていいのが大きなメリットです。骨の移植をすると、治療による精神的、身体的負担がかかります。そうした負担がなくなることは治療に対する不安を大きく軽減してくれるでしょう。また、移植をする場合、骨が付くまで数ヶ月かかりますが、ザイゴマインプラントならその期間が必要ないため、治療期間も短縮できます。
ザイゴマインプラントは、頬骨に長めのインプラントがしっかりと固定される施術方法です。そのため、手術当日でも固定式の歯を入れられます。土台がしっかりしているから、すぐに歯を入れられるということです。
通常のインプラントはどうかと言うと、埋め込んだインプラント体とあごの骨がしっかりと結合したことを確認できてはじめて歯を入れられます。手術から歯を入れるまでに3~6ヶ月ほどかかるのが一般的。歯がない状態は、機能面でも不便ですが、見た目も気になるでしょう。
ザイゴマインプラントなら、歯がない期間がなく、すぐに歯が装着できます。生活する上では大きなメリットです。
骨移植を行う場合は複数回の手術が必要です。通常のインプラントでも、2回の手術を行うのが一般的。その点、ザイゴマインプラントは、基本的に1回の手術のみです。手術には、精神的にも身体的にも経済的にも、様々な負担がかかるものですが、そうした負担が1回で終わります。2回の手術は肉体的にも精神的にも負担が大きいですが、それが1回で済むとなると、前向きに治療できそうです。
骨移植をする場合は、細菌感染や副鼻腔炎のリスクがあります。骨が付くまでの間は、取り外し式の入れ歯を使用する必要があるため、入れ歯が当たって傷口が開くなどのトラブルが起こるケースも少なくありません。ザイゴマインプラントなら、このようなリスクを軽減できます。骨移植もザイゴマインプラントも骨が足りない状態でのインプラント治療ですが、合併症のリスクが少ないのはザイゴマインプラントのメリットと言えるでしょう。
ザイゴマインプラントにもデメリットがあります。ひとつめは、対応している歯科医院が少ないことです。最大のデメリットと言っても過言ではないでしょう。メリットを知って「ザイゴマインプラントを受けたい」と思っても、受けられる歯科医院があるかどうかは別問題です。
ザイゴマインプラントは、非常に高度な技術と知識、そして設備が必要です。通える範囲にザイゴマインプラント治療ができる歯科医院を見つけられないかもしれません。
もうひとつのデメリットは、治療費が高額なことです。メリットが大きな治療は、おおむね治療費が高額ですが、ザイゴマインプラントも例外ではありません。理由としては、高度な技術が必要となり、さらに設備も充実していなければいけません。必然的に、治療費は高額になる傾向があります。
ザイゴマインプラントは、頬骨に長めのインプラント体をしっかりと埋め込む治療です。あごの骨が少なくて通常のインプラント治療ができない人のための治療方法。しっかりと固定されるため、当日から歯を入れられることや手術が1回でいいことなど、たくさんのメリットがあります。対応できる歯科医院は限られますが、インプラント治療を諦める前に、探してみてはいかがでしょうか。