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インプラントは基本的に人工歯根であるインプラントと人工歯、その2つをつなぐアバットメントという3つのパーツでできています。それぞれのパーツはしっかりと固定されていますので外れる可能性は低いですが、人工歯の部分は稀に外れてしまう事例もあります。本記事では、インプラントの人工歯が外れて、飲み込んでしまった場合について解説していきます。
インプラントの人工歯を飲み込んでしまった場合、まず、冷静になって対処することが必要です。以下に具体的な対処方法をご紹介していきます。
まず、重要なことは外れた場所を確認することです。そして、人工歯のみが外れているのか、他のパーツは残っているのかを確認してください。もしインプラントやアバットメントといった部品も外れていたら、それらが飲み込まれていないかどうかも確認してください。人工歯は大きく、尖った部分もありますので、喉や食道、胃に違和感が生じるおそれがあります。痛みや不快感がないかを確認して、内科や消化器内科を受診し、レントゲンなどで状態を確認してもらいます。
呼吸がくるしいなどの症状がなければ、自分で吐き出すことを試してみても良いでしょう。吐き出し方としては、まず冷静になり、腰を折った状態になります。座位でも、立位でもできます。腰を折ったら、胸と腹部を圧迫し、口を開けて吐き出しますようにします。もし、吐き気があればそれを利用してもよいでしょう。吐き出せない場合は上記のように医療機関を受診してください。また、吐き出しても違和感があれば医療機関を受診します。
もし、飲み込んでしまって息苦しさや喉の違和感、咳き込みが止まらないなどの場合は、ためらわずに救急車を呼び、すぐに救急外来を受診してください。人工歯が気管に入ってしまった可能性もあります。このような誤嚥(ごえん)事故は医療機関で処置が必要で、そのまま放置すると誤嚥性肺炎を引き起こすおそれもあります。歯科医院でも対処可能な場合もありますが、救急外来で処置をしてもらうほうがスムーズなことが多いです。
もし、人工歯を飲み込んでしまった場合、人工歯は通常2〜3日で便と一緒に排出されるのが普通です。長くても1週間程度で体外に排出されるでしょう。排出されるまでの間に胃の痛みや腹痛があれば医療機関に相談してください。また、人工歯がないと生活が不便になります。医療機関での処置が終了してから、歯科医院にも受診して対処をしてもらいましょう。
基本的にはインプラントの人工歯などは外れてしまう可能性は低いです。しかし、万が一外れてしまった場合には、飲み込んだ部分を確認して、何も症状がなければ自分で吐き出すことを試してみてもよいでしょう。しかし、息苦しいなどの症状が出ている場合には、躊躇せずに救急車を呼んで対処してもらいましょう。