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インプラント手術を受けた後、しばらく「仮歯」を入れる期間があります。ここでは、「仮歯」の主な役割や「仮歯」を装着する期間などについて詳しく解説しています。
「インプラント体を埋入したら、そのまますぐに人工歯を入れて良いのでは?」との率直な疑問が浮かびますが、多くのインプラント治療においては、人工歯を入れる前に、一定期間「仮歯」を入れることとなります。「仮歯」の主な役割を2点ほど見てみましょう。
インプラント体を埋入しても、すぐにインプラント体と骨が結合するわけではありません。しっかりと結合するまでには、数ヶ月の期間が必要です。
この数ヶ月間、もしインプラント体をむき出しの状態にしておくと、両側の歯がインプラント体側に向かって傾いてくるなどし、歯並びが悪くなることがあります。「仮歯」を入れる最大の理由は、そのような歯並びの歪みを防止することにあります。
また、インプラント体の見た目は細い金属の棒なので、むき出しの状態では審美性が気になるところ。インプラント体が骨と結合するまでの間、天然歯と同じような見た目を維持する意味でも、「仮歯」はあったほうが良いでしょう。
口の中には、約1,000億から6,000億もの常在菌が生息していると言われています。もし、これらの常在菌が原因でインプラント体の周辺に炎症が生じてしまうと、インプラント体と骨との結合に問題が生じかねません。「仮歯」には、このような細菌感染を予防する役割もあります。
また「仮歯」は、骨との結合状態が不安定なインプラント体に負担がかからないよう、「蓋」のような役割も果たしています。
インプラント手術を受けた日から、おおむね3~6ヶ月間、「仮歯」を装着したままとなります。
「仮歯」は、インプラント体と骨がしっかりと結合するまでの間、インプラント体や周辺組織を保護するためのもの。結合が確認できれば「仮歯」を外すことができますが、多くの場合、結合までに3~6ヶ月ほどかかるということです。
ただし、症例によっては6ヶ月を超える期間が必要となることもあるので、「仮歯」の期間の目安を知りたい場合には、担当する歯科医師に尋ねてみるようにしましょう。
なお、インプラント治療の中には、インプラント体の埋入当日に人工歯を装着する治療法(オールオン4)もあります。顎の骨の状態など、いくつかの基準をクリアした患者にのみ適応される治療法となります。
インプラント治療は、「手術を受けてすぐに終わり」という治療ではありません。数ヶ月かけてゆっくりと完結させる治療であり、そのプロセスにおいて「仮歯」は大事な治療の一つとなります。
少しでも早めに治療を終えたい気持ちは分かりますが、長く健康的なインプラントを維持していくためにも、歯科医師の指示に従って良好な「仮歯」期間を過ごすようにしましょう。