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インプラント治療では、外科手術が伴いますので、持病などによっては治療が難しくなる場合もあります。主な例としては、糖尿病や心疾患などがありますが、胃や腸などの消化器疾患の場合はどうでしょうか。以下にインプラント治療と消化器疾患について、詳しくご紹介していきます。
消化器疾患というと、まず思い浮かぶのは胃や腸の病気だと思います。確かに消化管(食道,胃,十二指腸,小腸,大腸)の病気も消化器疾患の一部です。ただ、ほかにも胆嚢、肝臓,膵臓などの臓器に関係する疾患も消化器疾患となります。意外かもしれませんが、胆嚢は脂肪の乳化やタンパク質の分解をする胆汁の通り道としての機能、肝臓は栄養素の代謝(分解、合成、貯蔵)機能、膵臓は消化酵素の分泌とインスリンの産生する機能を持ち、消化に対して重要な働きをしている臓器なのです。消化器疾患とは、これらの臓器に疾患が発生することで、非常に多くの種類があります。
前述の通り、消化器疾患には非常に多くの種類があります。その中でも軽度のもの、例えば軽い胃炎や一過性の下痢などの場合には、インプラント治療に影響を与えないと考えられます。一方で、消化器の悪性腫瘍、肝炎、腸閉塞、潰瘍性大腸炎など、一般的に入院での治療が必要な場合には、症状が軽快するまではインプラント治療が難しいことがあります。また、A型、B型、C型などのウイルス性肝炎では、感染対策を十分に行う必要があります。
消化器疾患でもインプラント治療を受けられる可能性はあります。しかし、病状により、時期をずらすなどの方法を取ることもあります。その判断は、患者さん自身ではできませんので、必ずインプラント治療を受ける歯科医師と医科の主治医に相談しながら決めていくことが重要です。
消化器疾患の症状が落ち着いていても、治療のために服用している薬剤がインプラント治療に影響を与える場合もあります。例えば潰瘍性大腸炎で服用するステロイドです。ステロイドは免疫を低下させるので、インプラント治療は慎重に検討する必要があります。また、逆にインプラント治療で飲む薬剤で消化器疾患が悪化する可能性もあります。特に注意したいのは、痛み止めです。NSAIDs(エヌセイズ:非ステロイド性抗炎症薬)と言われる系統の薬は、継続的な服用で胃潰瘍などとの関係が認められています。必ずどのような薬剤を飲んでいるのか、そして、どのような薬剤は飲まないほうが良いのかを確認しておきましょう。
ご紹介してきたように、消化器疾患はさまざまな種類があり、インプラント治療がおこなえるかは、歯科医師と主治医の判断を仰ぐことが重要です。服用している薬剤、インプラント治療で服用する薬剤にも注意が必要です。