インプラント手術と飲酒の関係

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インプラント手術後は、なるべくトラブルが起きないように過ごしたいものです。そのためには、歯科医師から伝えられる注意点は守るようにしなければなりません。しかし、中には日帰り手術のため、あまり注意事項を守らない人もいます。今回は、そのなかでも問い合わせが多くある、飲酒について解説していきます。

インプラント手術前の飲酒

インプラント手術前の飲酒については、あまり歯科クリニックでも注意を受けないでしょう。しかし、手術前日に大量飲酒をすることは絶対に避けるべきです。大量飲酒の後は翌日でも血中アルコールが高い場合があります。そのような場合には血圧にも影響を与える可能性がありますし、麻酔の効果にも影響があるかもしれません。2日酔いで体調不良の中、手術を受けるのは、危険なことなのです。

インプラント手術日の飲酒

インプラント手術当日の飲酒は、歯科クリニックからも伝えられると思いますが控えてください。当日だけではなく、クリニックの方針や手術内容によっても禁酒の期間は変わります。概ね3日から1週間程度となることが多いです。これは、歯科インプラントの手術だけではなく、医科の小手術でも同様です。手術によって、身体に傷を負うことになるため飲酒は治癒を遅らせることになるのです。

インプラント手術数日後の飲酒

インプラント手術後、禁酒期間が終われば特に制限はありません。ただ、もちろん、飲み過ぎはよくありません。例えば、飲酒をすると身体は脱水状態となります。その結果唾液は減少して、お口の中の抵抗力が低下してしまい、傷の治りを遅くすることにもなりかねません。また、手術が終わったといっても、インプラント体と顎骨の強固な結合(オッセオインテグレーション)はまだ得られていません。飲み過ぎを繰り返せば、次の項で述べる創傷治癒力(そうしょうちゆりょく)が低下して、オッセオインテグレーションを得る期間が長引くことも考えられます。適度な飲酒をこころがけてください。

飲酒による患部への影響とは

飲酒は手術後の傷に影響を与えることをご紹介してきましたが、なぜ、そうなるのでしょうか。飲酒には血管を拡張させる作用があります。つまり、血流が良くなる、ということです。健康体のときの血流促進は良いとされていますが、手術により傷がある場合には、血流促進により、出血の危険性が高くなります。また、腫れを助長して痛みが増すこともあります。これらは、血流促進により創傷治癒のサイクルを崩すことにもなります。創傷治癒サイクルは出血凝固期→炎症期→増殖期→成熟期という過程を経ます。過剰な血流は「出血凝固期」を阻害し、「炎症期」を長引かせてしまうのです。また、このサイクルはオッセオインテグレーションも同様ですので、過度な飲酒は治療期間全体を長引かせることがあります。

禁酒期間が終わっても適度な飲酒を

ご紹介してきたように、インプラント手術後は数日間の禁酒期間を設けてください。また、禁酒期間が終了しても、まだオッセオインテグレーションは得られていません。なるべく早い治療を終わらせるためには、適度な飲酒を心がけてください。