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インプラント治療は、さまざまなメリットが期待できる治療ですが、全ての方が受けられるわけではありません。
「高血圧の場合、インプラント治療はできる?」と気になる方もいるでしょう。ここでは、高血圧でインプラントは可能なのかまとめ、事例についてもご紹介します。
高血圧でもインプラント治療を受けられるのか気になっている方は、必見です。
血圧とは、血液が動脈を流れるときに、血管の内側にかかる圧力のことを言います。高血圧とは、血圧が正常範囲よりも高くなってしまう病気のことです。
具体的には、140/90㎜Hgの状態が常に続いていると高血圧と診断されます。なお、180/110㎜Hg以上になると、重症高血圧症と診断されます。
高血圧が進行して動脈硬化になってしまうと、狭心症や心筋梗塞、心不全、脳梗塞、脳出血などの病気を引き起こしやすくなります。
高血圧にかかっている方がインプラント治療を受ける場合、さまざまな配慮が必要となります。インプラントは、歯茎を切開して顎の下にドリルで穴をあけるという大がかりな治療です。
服薬をしていて血圧がコントロールされている状態でも、緊張して血圧が上がり止血困難になってしまったり、術後に出血しやすくなったりするため、十分注意が必要です。
前述の通り、高血圧の方はインプラント治療を受けることによって、さらに血圧が上昇したり出血したりするリスクがあるため、投薬などで血圧をコントロールしておくことが大切です。
一般的に、手術に使用される麻酔は血管拡張作用があるため、血圧が下がりやすくなると言われています。
要するに、高血圧の方は血圧が高ければ高いほど、血圧の下げ幅が増え、変動が大きくなります。そのような状態になると、身体の隅々にまで血液が行きわたらなくなるリスクがあるため注意が必要です。
高血圧の方のインプラント治療では、手術による痛みや不安、恐怖などを軽減するために、静脈内鎮静法を併用することが望ましいとされています。また、緊急時には速やかに対応できるよう、生体情報モニタ下で手術を行う必要があると言われています。
そして、出血を抑えるためにも、歯茎を大きく切開しない「フラップレスインプラント」が推奨されているのも特徴です。
70歳女性のケースをご紹介します。10年前に高血圧と診断された後、1日2回の服用と2週間ごとの内科受診を行い、血圧をコントロールしています。
下顎の骨の量が少ない状態となっているため、「骨膜下インプラント」と呼ばれる施術を行うことになりました。骨膜下インプラントとは、顎と粘膜の間にインプラント体を埋め込む施術のことです。
血圧の状態は良好でしたが、手術に対して不安が大きく見られました。そこで、身体的・精神的なストレスを軽減するために、静脈内鎮静法を採用しました。
そして、体調の急変に備え、監視体制を整えたうえで手術が実施されました。手術は無事に終了し、術後3年経過してもインプラントの状態に異常はなく良好な様子だと言われています。
参考文献:「静脈内鎮静法を用いた狡猾圧症患者に対する骨膜下インプラント挿入手術の一症例│日本口腔インプラント学会」日本口腔インプラント学会誌(1993)6巻1号 p.123-129
高血圧の方は、心疾患や脳血管疾患などの合併症に十分注意する必要があります。血圧が高い場合、投薬などで良好にコントロールできている状態で、適切な麻酔を使用すれば、インプラント治療は可能といわれています。
また、高血圧の場合、インプラント治療時だけではなく、その後のメンテナンスにも影響を及ぼすため、手術前後だけではなく、継続的なコントロールが必要です。
しかし、コントロール不良な場合は、血圧を下げることを優先しなければなりません。インプラント治療を受けたい場合、まずは主治医にしっかりと相談しましょう。