インプラント治療前に行う「CTG」とは?

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インプラント治療では、歯茎が下がってしまうなどのトラブルが起こる場合があります。そのようなことが予測される場合や、すでに歯茎が下がってしまっている場合には「CTG」という治療を行うことがあります。この記事ではCTGについて詳しく解説していきます。

CTG(結合組織移植術)とは?

CTGとはConnective Tissue Graftの略で、日本語では結合組織移植術ともいわれています。主に上顎の口蓋(上顎の部分)から結合組織を切り取って歯茎が足りない部分に移植をする手術です。歯肉には、上皮性組織 、結合性組織 、骨膜 という3層の組織がありますが、CTGでは結合組織だけを移植することにより、審美性を確保することができます。

治療の流れについて

CTGの治療は手術の流れは以下です。
まず、局所麻酔をおこない歯茎が下がっている部分を切開して、移植が必要なサイズを測定します。次に、上顎の口蓋を切開し、上皮を残したまま必要な量の結合組織を採取します。採取した細胞は、脂肪組織や腺組織などが付着している場合もありますので、メスなどで丁寧に処理をします。その後、この結合組織を、最初に切開した歯茎の部分に移植し、糸で縫い合わせます。その後、口蓋部分も縫合します。最後に、CTGの手術から1〜2週間後に抜糸を行い、傷の治癒を待ちます。

CTGを行うメリットについて

CTGのメリットの一つは、見た目が歯茎の色に左右されないことです。移植するのは上皮の内側の結合組織で、表面は再度上皮で覆うため、違和感がありません。また、歯茎の厚みや形状を維持できるため、歯茎が下がっている場合や歯茎の量が足りない場合でも、インプラント手術が可能になります。さらに、CTGは歯周組織の再生を促進し、血管や細胞の新生を助け、歯周病の進行を防ぎますので、インプラント周囲炎のリスクも減少し、インプラント周囲の骨の保護にもなります。

CTGを行うデメリットについて

CTGのデメリットは、もう一つの歯肉移植術であるFGGよりも治療が難しく、医師の技術力が必要な点です。また、治療後、移植部やドナー部位である口蓋部の傷の回復には時間がかかり、痛みや腫れが続くことがあります。痛みや腫れを最小限に抑えるためには、適切な事前処置や術後のケア、医師との十分な相談が必要です。また、移植部と口蓋部の歯肉の特性や質感の違いにより、見た目はFGGより自然ですが、違和感を感じるおそれもあります。

まとめ

CTGは歯茎が下がっているときにおこなわれる治療です。同じ歯肉移植術には「上皮組織」を移植するFGGという治療もあります。両者を比較すると、CTGのほうが治療の難易度は高いのですが、審美性においては自然に見えます。どちらの治療にするかは症状や治療する位置にもよりますので、歯科医師とよく相談をしましょう。