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インプラント治療では、歯が無い状態で治療をおこなう場合と、残しておいても、やがて抜けてしまう歯を抜歯して治療する場合の2通りがあります。抜歯を伴うインプラント治療では、重度の歯周病や虫歯で歯がだめになっている、また、事故などで歯根が割れてしまっているなどのケースが当てはまります。今回は抜歯をしてからインプラント治療をする場合、抜歯後の食事についてご紹介していきます。
抜歯手術後に麻酔が切れたことが自覚できたら、食事は可能ですが、しばらくの間は、避けるべきものもあります。それは、熱いものや冷たいもの、酸味や辛味の強いものなどの刺激物です。これらは手術後にデリケートになっている粘膜を刺激して、痛みなどが出ることもあります。口内炎などで、刺激物がしみて痛く感じるのと同じことです。また、粘着性のある食べ物も避けるべきです。例えば、ガムやキャラメル、グミなどです。これらは、抜歯後の歯茎にできた血餅(けっぺい)というものを剥がしてしまうからです。血餅とは、赤血球、白血球、血小板、線維素などからなる塊で、かさぶたのようなものです。血餅があることにより、出血が防げるとともに、歯茎や歯槽骨の回復が促進されています。取れてしまわないように気をつけましょう。
では、抜歯後に適している食べ物には、どのようなものがあるのでしょうか。理想的には、流動食に近いものが良いとされています。具体的には、おかゆやゼリーなどで、熱すぎず、冷たすぎない適温にして食べるのがおすすめです。また、そばやうどんなど、柔らかいものも食べることが可能です。いずれも、適温にして、塩分やスパイスなどの調味料は控えめにしてください。また、お酒に関しては、原則禁酒をしたほうが良いです。お酒を飲むことによって、血流が良くなり、痛みや腫れ、出血などが出てしまうこともあります。
抜歯をおこなう場合には、当然麻酔をかけることになります。局所麻酔を用いて手術をしますので、麻酔が効いている時間は、通常2時間から3時間程度です。抜歯後の食事について最初に注意しなければいけないことが、麻酔が切れないうちに食事をしてしまうことです。麻酔が切れていないうちは、お口の中の感覚が麻痺していますので、温度や刺激などがわかりにくくなります。また、舌や唇が自由に動きません。そのため、厚いもので火傷をしてしまったり、口の中を噛んで傷つけてしまったりという危険があるのです。ですから、必ず麻酔が切れてから食事をするようにしてください。また、麻酔の効いている時間は、麻酔の種類によって違ってきます。通常の「浸潤麻酔(しんじゅんますい)」であれば、前述のように2時間から3時間で麻酔は切れます。しかし、麻酔が効きにくい下顎の抜歯などでは、神経部分にも麻酔を打つ「伝達麻酔(でんたつますい)」が使用されることがあります。この場合には、麻酔が切れるのにさらに時間がかかることがあるので、注意してください。
通常の食事に戻るには、2日から3日程度を見てください。また、入浴や過度な運動も血行を促すので、翌日くらいまでは、避けたほうが良いと言われています。普通の食事に戻したあとも、噛むのは抜歯をした反対側を中心にするなど、気遣いが必要です。
抜歯後に予定されているインプラント埋入手術は、抜歯の傷がどれくらい治癒しているかを見ながら実施が決められます。なるべく早く傷口が治るように、抜歯した部位を刺激しないような食生活を送ってください。早く治癒できれば、インプラント治療の期間も短くできる可能性があります。