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インプラント治療では、顎骨とインプラント体が強固に結合することが非常に重要です。この強固な結合を「オッセオインテグレーション」といいます。この記事では、オッセオインテグレーションについて詳しく解説していきます。
オッセオインテグレーションとはインプラント治療において顎骨とインプラント体が強固に結合する現象のことをいいます。この結合は、分子レベルで結合していますので、非常に強固であり、ほかの人工歯よりもインプラントのほうが噛む力が強いという理由にもなっています。しかし、さまざまな理由により、オッセオインテグレーションを獲得できないこともありますので、そのようなケースについても解説します。
オッセオインテグレーションは、インプラントにかかる力が骨に直接伝わるほど強固に結合する現象です。人間の体は異物に強い拒否反応を示しますが、1952年にペル・イングヴァール・ブローネマルク博士が、純度の高いチタンが拒否反応を起こさずに骨と結合する性質を発見しました。この発見により、歯科インプラント治療における成功率が大幅に向上しました。チタンは生体親和性が高く、腐食しにくいため金属アレルギーのリスクも低いので長期間使用できます。オッセオインテグレーションを獲得するためには時間がかかりますが、現在では技術が進み45日から60日程度で獲得できることが多くなっています(症状や術式など個々のケースにより変動します)。
オッセオインテグレーションの成功率は現在、95%以上といわれています(クリニックや治療部位により変わります)。しかし、少ないですが、失敗するケースが有ることも確かです。どのような場合に注意が必要なのかを解説します。
人間の骨は破壊と再生を繰り返しており、これを「リモデリング」と言います。ただ、骨粗鬆症や思い歯周病などがある場合は、このリモデリングのバランスが崩れてしまい、再生が阻害されて骨の量が少なくなってしまいます。このような場合、インプラント体との結合がうまくいかずに、オッセオインテグレーションが獲得できない場合があります。
歯周病がある場合もオッセオインテグレーションを獲得しにくい理由になります。歯周病菌により、前述した骨のリモデリングが阻害されているからです。また、糖尿病も同様にオッセオインテグレーションを獲得しにくい理由です。糖尿病には、創傷治癒遅延(そうしょうちゆちえん)という「傷が治りにくい」症状があるからです。
喫煙は身体にさまざまな影響を与えます。ニコチンは血管を収縮させ、一酸化炭素により血中酸素濃度が低くなります。血液のめぐりが悪くなれば、細胞に酸素や栄養が行き渡りませんので、オッセオインテグレーションが獲得しにくくなります。
ご紹介してきましたように、オッセオインテグレーションはインプラント治療で一番重要なものです。獲得できない場合には治療が失敗ということになってしまいます。失敗しないためには、クリニック選びが大切です。治療費用の安さだけで選ぶことなく、総合的に判断してインプラント治療の経験が豊富なクリニックを選択してください。