インプラントとブリッジは併用できる?

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歯を失ってしまったときの治療には、入れ歯やブリッジ、インプラントなどがあります。多くの場合は単独での治療を実施していますが、症状によってはインプラントとブリッジを併用するケースもあります。どのような場合に併用したほうがよいのか、そのメリットやデメリットなどを解説していきます。

インプラントとブリッジはどんな治療?

インプラントは、歯を失った部分に人工歯根(インプラント)を埋め込み、その上に人工の歯を固定する治療法です。チタン製の特殊な金属を顎の骨に埋入することで、骨としっかり結合し、天然の歯に近い強い咬合力を得られるのが特徴です。ただし、自由診療のため費用は高額になります。

一方、ブリッジは歯を失った部分の両隣の歯を支えにして、連結した人工歯を被せる治療法です。インプラントよりも噛む力は劣りますが、入れ歯よりはしっかり噛めます。保険診療で治療可能な場合もありますが、支えとなる両隣の歯に負担がかかるというデメリットがあります。

インプラントとブリッジの違いについて

インプラントとブリッジの併用が適しているケース

インプラントとブリッジを併用することで、お互いのメリットを活かすとともに、デメリットを軽減できる可能性があります。どのようなケースで併用が適しているのかを解説していきます。

3本以上の歯が連続して欠損している

歯が連続して3本欠損した場合はインプラントとブリッジの併用が適しているケースもあります。方法としては、両端の部位をインプラントにして、それを土台にして真ん中の歯をブリッジとすることが考えられます。ブリッジは欠損数が多いと土台に過負荷がかかりやすく、3本以上の連続欠損では入れ歯が選択肢となることが多いですが、インプラントを併用することで負荷を軽減できます。また、3本すべてインプラントにするよりも経済的な負担も減らすことができます。

部分的に骨量が不足している

インプラント治療は、顎の骨量が不足していると実施できません。歯周病による骨吸収や加齢による骨量減少がある場合は、骨移植などの骨を増やす処置が必要となり、費用の負担などが増加します。そこで、骨量が不足している部位はブリッジで治療を行い、骨量がある部位にはインプラントを実施することで、骨を増やす処置を実施しないで治療が可能です。

インプラントとブリッジを併用するメリット・デメリット

ここからは、インプラントとブリッジを併用した場合、具体的にどのようなメリット・デメリットがあるのかを解説していきます。

メリット

インプラント治療は、外科手術を伴うため身体的な負担が大きく、費用も高額になりがちです。そこで、ブリッジを併用することで、必要なインプラントの本数を減らし、手術や費用、身体への負担を軽減することが可能になります。

たとえば、連続する4本の歯を失っている場合、すべてをインプラントで補うと費用がかさみますが、ブリッジを組み合わせることで、経済的な負担を抑えられます。また、インプラント併用ブリッジでは、健康な歯を削る必要がなく、大切な天然歯を守れるのも大きなメリットです。

骨量や口腔内の状態を十分に検討したうえで、インプラントとブリッジを併用することで、効果的かつ経済的な治療が期待できます。

デメリット

ブリッジは構造が複雑で汚れが蓄積しやすく、インプラント周囲炎のリスクを高めてしまう可能性があります。インプラント周囲炎は、歯周病菌がインプラント周囲の歯肉に感染し、炎症から顎骨破壊へと進行する疾患です。骨量が減少するとインプラントを支えきれず、ぐらつきや脱落を招く恐れがあり、気付いた時には重症化していることも少なくありません。そのため、インプラントとブリッジを併用する場合は、日頃のメンテナンスに十分注意を払うことが大切です。

インプラントとブリッジの併用は、歯科医師との十分な相談を

インプラントとブリッジは、いずれも歯を失った際に選択される代表的な治療方法です。どちらにもメリット・デメリットがあり、特に3本以上の歯の連続欠損や顎の骨量不足では、両者を併用する治療が有効とされています。

併用治療のメリットには、身体的負担の軽減、治療費の抑制、健康な歯を削らずに守れることなどが挙げられます。一方で、インプラント周囲炎のリスクや治療の難易度が上がるといったデメリットもあります。

どの治療方法が適しているかは、患者さん一人ひとりの口腔内の状態によって異なります。十分に歯科医師と相談したうえで、自分に合った治療法を選ぶことが大切です。